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去年の秋、友人から「話したいことがある」と言われ、

カフェで二人で食事をしている時に「自分はゲイなんだ」と

カミングアウトを受けました。

親にも職場の人にも話していない大切なことを私に話してくれたことで、心が揺さぶられました。

手話通訳者として活動している彼は、ろう・難聴の中にはLGBTの人たちもいることも話してくれました。

これがきっかけで、ろう・難聴のLGBTのことを考えるようになりました。

「耳が聞こえないこと」は、車いすや白杖と違って、見ただけでは分かりません。

また、「LGBTであること」も目に見えません。耳が聞こえないLGBTの人は、抱える悩みも多く、

誰かに相談したくてもLGBTに関する知識や理解のある人が少ないため、アドバイスを得ることが難しいのが現状です。

また、LGBTのコミュニティに参加したくても、コミュニケーションの壁が立ちはだかります。

その解決方法の1つとして手話通訳を頼みたくても、自分が当事者であることが通訳者に

分かってしまうため、ひとりで悩みを抱えてしまうことが多いのです。

LGBTについて調べていくうちに、小学生時代を思い出しました。

私は小学生の時にだんだん膨らんでいく胸に嫌悪し、「女であることが恥ずかしい。 男になりたい」と強く思っていました。

また、「料理は女がやることだからやらない!」とずっと思っていました。「ピンクなんて大嫌い!」と。

今思うと、多感な時期に社会が作り上げた「女性像」や「女らしさ」を求められることがとても嫌で 、「どうして?」という疑問を抱いていたのだと思います。

 

その感情を伝える言葉を知らず、どのように扱えばいいのか分からない気持ちを一人で抱えていたため、自分の性まで嫌いになっていたのです。

小5と中2の私

もし「男らしさ」「女らしさ」より「自分らしさ」「あなたらしさ」を大切にする社会であれば、小学生だった私は自分の性を嫌悪せず、もっと自由に受け止められていたのではと思います。

大学生になり、自分の性を受け止められるようになってからは、料理やピンクも好きになりました。

社会人になってからは、性別に関係なく、「ああ、魅力的な方だな、一緒にいたい」という恋愛に近い感情を男性だけでなく、女性に抱いたこともあります。

DVDにも出演する斗真さん(写真右)のパートナーである有香里さん(左)が言っていた「好きになった人がたまたま斗真さんだった」という言葉にすごく共感しました。

斗真さん(右)とゆかりさん(左)

人を好きになることは、自分を知ること。

DVDでは、カテゴリーにあてはまらないから変だとしてしまう今の社会に、それでいいのかな?と疑問を投げかけたいと思っています。

そして、広い世界で、自分が好きと思える人に出会えたなら、それはとても素敵なこと、かけがえのないものだよということを伝えたいと思います。

人を好きになることや自分をカテゴライズしてしまうと、本当は多様な自分、自覚していない自分、未知の自分をつぶしてしまうことにもなってしまいます。

本当の自分や本来の世界は、とても豊かで面白く楽しいことを伝えていきたいと思います。

菊川れんさん(右)と友人のモンキー高野さん(左)

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